離婚協議書の作り方

離婚協議書とは、離婚する際に夫婦で決めた約束(財産分与・養育費・慰謝料など)を書面に残すための書類です。これを作成することで、離婚後のトラブルを防ぐことができます。以下に、離婚協議書の作り方を詳しく解説します。


1. 離婚協議書を作成するメリット

  • 口約束ではなく、書面で証拠を残せる
  • 離婚後の金銭トラブルを防げる(養育費・財産分与の未払い防止)
  • お互いの責任範囲が明確になる
  • 公正証書にすれば、法的強制力がある(支払いが滞った場合、強制執行できる)

2. 離婚協議書に記載すべき内容

離婚協議書には、以下の項目を記載します。

(1) 離婚の合意

  • 夫婦双方が合意の上で離婚することを明記
  • 例:「夫○○○○と妻○○○○は、協議の上、本日離婚することに合意した。」

(2) 財産分与

  • 結婚期間中に築いた財産をどう分けるかを記載
  • 不動産・預貯金・車・退職金などの分配を明確にする
  • 例:「夫名義のマンションは妻が取得し、名義変更を行う。」

(3) 慰謝料(必要な場合)

  • 不倫・DV・モラハラなどの理由で慰謝料を支払う場合、金額と支払い方法を記載
  • 例:「夫は妻に対し、慰謝料として300万円を2024年○月○日までに一括で支払う。」

(4) 養育費(子どもがいる場合)

  • 子どもが成人するまでの養育費の金額・支払い方法・支払い期間を明記
  • 例:「夫は子の養育費として、毎月5万円を○日までに妻の指定口座に振り込む。」
  • 支払いを確実にするため、公正証書にするのが望ましい

(5) 親権・監護権

  • 子どもの親権者をどちらが持つかを明記
  • 例:「未成年の子○○○○の親権者を母(○○○○)とする。」

(6) 面会交流(子どもと会う権利)

  • 親権を持たない親が子どもと会う頻度・方法を記載
  • 例:「夫は月1回、子どもと面会できるものとする。」

(7) 年金分割(必要な場合)

  • 結婚期間中の年金を分割する場合、合意内容を記載
  • 例:「夫の厚生年金を2分の1の割合で分割する。」

(8) 署名・押印

  • 夫婦双方の署名・実印を押す
  • 証人(立会人)の署名・押印(任意)

3. 離婚協議書の作成手順

  1. 夫婦で話し合い、合意事項を決める
  2. 離婚協議書のドラフトを作成
  3. 内容を確認し、誤解のないよう修正
  4. 双方が納得したら、正式な離婚協議書を作成
  5. 夫婦双方が署名・押印(実印推奨)
  6. 必要に応じて公正証書にする

4. 離婚協議書を「公正証書」にする方法(強制執行力を持たせる)

  • 公正証書にすると、養育費・慰謝料の未払い時に強制執行が可能
  • 公証役場で作成し、公証人の認証を受ける必要がある
  • 費用:5~10万円程度(慰謝料や養育費の金額によって変動)
  • 夫婦双方が公証役場に行き、公証人の前で手続きを行う

5. 離婚協議書作成のポイント

明確で具体的な表現を使う(「できるだけ」など曖昧な表現を避ける)
口約束ではなく、必ず書面に残す
将来トラブルにならないよう、公正証書の作成を検討する
不安があれば弁護士に相談する


6. まとめ

  • 離婚協議書は、離婚後のトラブルを防ぐために重要な書類
  • 養育費・慰謝料・財産分与・親権などを具体的に記載する
  • 口約束ではなく、必ず書面にして証拠を残す
  • 公正証書にすれば、養育費や慰謝料の支払いを強制できる
  • 専門家(弁護士・行政書士・公証人)に相談すると安心

離婚後のトラブルを避けるために、しっかりとした離婚協議書を作成することが大切です。