相続によって不動産や預貯金、車などの財産を受け取った場合、名義変更の手続きが原則として必要です。名義変更をしないままでいると、将来のトラブルや手続きの遅れにつながることがあります。以下に、相続時に必要な名義変更について、わかりやすく解説します。
■ 相続後の名義変更は必要?
- 原則として、相続した財産は名義変更が必要。
- 亡くなった人の名義のままでは、売却・処分・引き出しなどの手続きができない。
- 名義変更をしないと、次の相続の際に手続きが複雑になる。
■ 名義変更が必要な主な財産
【1】不動産(土地・建物)
- 法務局での「相続登記」が必要。
- 2024年4月から義務化され、3年以内に登記しないと過料(最大10万円)が科される。
- 登記には、遺産分割協議書、戸籍謄本、固定資産評価証明書などが必要。
【2】預貯金(銀行・郵便局)
- 各金融機関での名義変更・払い戻し手続きが必要。
- 金融機関によって手続き方法は異なる。
- 戸籍謄本、遺産分割協議書、印鑑証明書などを求められる。
【3】株式・投資信託などの証券
- 証券会社や信託銀行で名義変更手続き。
- 評価額によっては相続税の課税対象にもなるため、早めの手続きが必要。
【4】自動車
- 運輸支局での「移転登録」が必要。
- 所有者変更しないと、売却や譲渡、車検ができない。
- 相続関係説明図や車検証、戸籍などの提出が必要。
【5】電話・光回線・電気・ガスなどの契約
- 継続して利用する場合は、契約名義を変更する必要あり。
- 死亡の届出と同時に行うとスムーズ。
■ 名義変更のために必要なもの
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
- 相続人全員の戸籍謄本・住民票
- 遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印)
- 印鑑証明書
- 財産の内容に応じた書類(通帳、不動産登記簿など)
■ 名義変更をしないリスク
- 不動産を売却・担保にできない
- 銀行預金を凍結されたままになる
- 次の世代で「数次相続」が発生し、手続きが困難になる
- 相続税の申告ができず、延滞税や加算税の対象になることも
■ 専門家に依頼した方がいい?
- 不動産登記:司法書士
- 銀行・証券の手続き:行政書士や銀行窓口
- 税金関連:税理士
- 書類作成や手続きに不安がある場合は、早めに専門家に相談するのが安心。
まとめ:
相続によって取得した財産は、そのままでは自由に使えず、必ず名義変更が必要になります。特に不動産は2024年から義務化されているため、放置しないように注意しましょう。遺産分割協議が終わったら、速やかに手続きを進めるのが理想です。